高い制振性と構造材として使用可能な強度を合わせ持つ唯一の素材です。一定比の鉄アルミ合金に、加工(応力)と熱処理(焼屯)を加えることにより、合金の電子レベルの領域で「短範囲規則性」が得られます。この「短範囲規則性」には振動エネルギーを吸収する機能があり、制振メカニズムの源泉となっています。
精密部品やゴルフクラブ部材にも使用できます。
制振材料としての耐熱温度は約300℃ですが、熱処理により自己修復機能の酸化膜を付けることにより、構造材としては約1000℃程度まで使用できます。高温でもスケールの付着も少なく熱膨張率も低いことから安価な耐熱材として有望です。線材や薄膜にして使用できることから、排気系部品、ボルト類、燃料電池セパレーター等の耐熱耐食材料として利用できます。
強磁性で高い電気抵抗、軟磁性材料としての性能を発揮します。特に、加工性に優れ、軽量で優れた耐熱耐食性を示すユニークな電磁材料です。電磁弁音響部品等の磁性材料や磁界シールド材、IH用発熱材、溶射材として利用できます。
項目 | 数値 | |
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最大透磁率(Μm) | 5500 | |
保持力(A/p) | 0.23 | |
磁束密度(800A/m) | 1.24 | |
磁束密度(2000A/m) | 1.34 | |
磁束密度(796KA/m) | 1.6 | |
抵抗値(μΩp) | 80 |
アルミを8%程度含有した鉄アルミ合金です。鉄と同等の機械的強度があり10%軽くなります。
熱が伝わりにくく、熱膨張は小さい値を示します。
C | Si | Mn | P | S | Cr | Ni | Al |
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〜0.01% | 〜0.20% | 〜0.20% | 〜0.03% | 〜0.005% | 〜0.2% | 〜0.2% | 7.5〜8.5% |
比重 | 6.85 | |
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熱拡散率 | 0.0603cm²/S | |
熱伝導率 | 0.059cal/cms℃ | |
熱膨張率 | α=11.0×10−6(50〜300℃) | |
機械的特性 | 引張強さ500MPA 伸び34% 絞り80% 硬さ80HRB |