1.インテリアルの制振メカニズム

 一定の成分比の鉄アルミ合金に、加工(応力)と熱処理(焼屯)を加えることにより、合金の電子レベルの領域で「短範囲規則性」が得られます。この「短範囲規則性」には、振動エネルギーを吸収する機能があり、制振メカニズムの源泉となっています。

(インテリアルの構造図)

フェライト組織構造(鉄の組織構造)

e3Al 組織構造

「ここちメタ」の構造図−フェライト組織構造(鉄の組織構造

「ここちメタ」の構造図−e3Al組織構造

 

2.インテリアルの位置付け

インテリアル(Fe-Al系合金)は、高い制振性能と構造材として使用可能な強度をあわせ持つ唯一の素材です。また、比較的安価で量産化が可能な材料でもあります。

従来の制振材料 →→→ インテリアルの優位性

ゴム・木・プラスチック

・ 強度が弱い

・ 熱に弱い

・ 制振制御が困難

振動を伝えない

降伏点が高く擬弾性材料として期待

電磁材料としての可能性

サンドイッチ鋼板(複合板)

・ 強度が弱い

・ 熱に弱い

優れた制振性能 : 構造用炭素鋼の7〜15倍

耐熱性 : 300℃の温度まで制振性が低下しない

強度 : 鉄鋼材料と同程度 

加工性 :鉄鋼材料と同程度(板、棒、平状加工が可能)

溶接性 : レーザー溶接に優れる

比重 : 鉄より軽量(7.0)

硬度 : 高い(ハイテン化可能)

耐久性 : 耐食性、耐熱性に優れる。

その他の合金材料 ・ 厚みが必要、重い

・ 錆びる

・ 高価、量産不可

 

3.インテリアルの主な特性

 インテリアル鋼板に力を負荷すると、その力は鋼板自体に吸収されます。この特徴は車のサスペンション、防振効果の求められる精密機器や機械のスペーサー、マウント類に応用できます。

 

 インテリアル製丸棒を振動させても、揺れはすぐにおさまります。ボーリングバーや工具鋼に応用できます。

 

 インテリアルを伝わる音はやわらかくなる特性があります。スピーカー素材や楽器、オートバイのマフラーに応用できます。

 

 インテリアルにボールを落とすと跳ね返りが少なく方向性もブレません。ゴルフクラブ等の素材に適しています。